産科

婦人科

当院での研究

初期研修医

後期研修医

ご挨拶

主任教授

 研修医制度が定着し、さらに専門医制度が試走しています。かつては卒業生の多くが出身大学の医局に残り、そこで学んだ流儀を実践していました。研修施設の選択肢が大きく広がった今、教室・医局は、ややもすると単なる技量の習得・資格取得のための教習所になりそうです。専門医制度のもとでは技術的な側面・流儀の実践が症例経験数として数値化され、基本的理解に至るはずの思索は評価され難くなっています。様々な流儀をまとめ、今得られる範囲内での統計上、最も良い方向に進めるであろう指針がガイドラインとして提示され、一般的な医療を提供できるようになりました。しかしながら、指針の遵守のみでは現時点の枠を超えて医学を更なる高みへと押し上げることはできません。

 当講座では、電子化により簡単に触れることができる一般論の紹介ではなく、その流儀・指針が生まれるに至った経緯や社会的背景を伝え、簡潔にまとめられたマニュアルの行間を説明するべく努力しています。後進に伝えておきたい心・技・工夫・コツを伝え、それを受け継いだ研修医・専攻医は、それぞれの意味を考え、比較し、唯一絶対という正解のない臨床の奥深さを垣間見ることができるようになるはずです。

 産婦人科は、配偶子を顕微鏡下にとらえる生殖医療から、胎児の生理的機能・成熟過程を超音波検査で目の当たりにする周産期医療、さらには婦人科感染症・腫瘍・ゲノム医療まで、連綿と続く生命現象を、女性の一生という長い時間軸をもって考える、息の長い学問領域です。制度の変革、AIの進歩により医療を取り巻く環境は大きく変貌しましたが、講座の目標は、息の長さを支えるべく、常に変わることのない「真っ当な社会人の育成」です。我らが志を諒として、共に研鑽を積める日を楽しみにしています。

2019年2月吉日
帝京大学医学部産婦人科学講座 主任教授 綾部琢哉